「いつかお客様と歩きたい」と思っていた山・・天気に恵まれ素晴らしい景色をみんなで堪能してきました。
2024年5月14日(火)
米原駅にてお客様を待つのは、今回ご一緒する朝妻と正清。強力な晴れ女パワーのおかげで雨の心配もなく、改札口に現れるお客様もみな笑顔でほっとします。さっそくバスにて霊仙山の今畑登山口へ。
最初からぐんぐんと登っていきますが、登り出して少しのところにお楽しみポイントの一つが表れて、「お~!すごい!」と歓声が上がります。
廃村となった集落にクリンソウが群生しています。
霊仙山は花の百名山にも選ばれておりフクジュソウが有名ですが、クリンソウも中々素晴らしかったです。
クリンソウ以外にもエビネやウラシマソウ、ミツバオウレン、ササバギンランなど色々なお花を見ながら笹峠へ。この先から景色が一変して石灰岩の登りになるので、しっかりお昼を食べてから向かいます。
石灰岩が雨水で侵食されてできたカルスト台地。近江展望台まで岩の間を縫うように登っていきます。振り返ると鈴鹿山脈の最高峰御池岳が見えたり、眼下に琵琶湖が見えたりしてテンションが上がります。先ほどまでの樹林帯とは違って登りにくい岩場が続きますが、「これさえ登れば快適な稜線歩きですよ!頑張りましょう~」と声を掛けていきます。
カルスト台地広がる山の稜線をしばらく歩きます。途中、恐竜の足跡のような岩を発見。そこからは「あれはイルカ岩っぽい」「これはゴジラ岩」「たくさんのひつじの群れだわ」と想像を膨らませながら楽しく登っていきます。
霊仙山はピークがいくつかあり、最初に1094mの最高点に登ってから山頂の標識のある1084mのピークへ向かいます。
最高点まで登ると伊吹山が見えてきます。
「手前に経塚山と霊仙山避難小屋、奥には伊吹山が見えていますよ。」とお話すると、「伊吹山!近いんですね~」と喜ぶ方も。登ったことのある山が見えると嬉しいものですね。
そして霊仙山山頂に到着!カルスト台地と琵琶湖の景色が素晴らしいです。
「すごく良い山!」「こんな山があるなんて知らなかった」「来て良かった!」とはしゃぎながら記念写真を撮り、しばし山頂からの景色を楽しみました。
広大な山頂台地を眺めながら経塚山経由で下山していきます。すり鉢状に窪んだ地形に雨水がたまってできたドリーネ池が点在していたり、鹿の群れがいたり、立派な鳥居があったりと飽きさせません。最後までワイワイ楽しく歩いて無事下山。
本日の宿へ向かいます。
まいたびでは初となるであろう、高速のサービスエリアにある宿です。小さいながらも浴場もあるので、しっかり疲れを取り明日に備え就寝となりました。
スタートの林道は千種街道と呼ばれる古道です。かつて織田信長が京から岐阜への帰路に通っており、敵対していた武将の命を受けた善住坊に襲撃されたが逃れたという話があります。
たくさん出てくる炭焼き窯の跡に昔の人の苦労を感じたり、イヌシデの大木にパワーをもらったりしながらぐんぐん進みます。ずっと沢沿いを登っていくので何度も橋を渡ったり渡渉を繰り返します。
杉峠までもう少しというところで登山道脇にヤマシャクヤクが咲いており、思わず顔がほころびます。
「頑張れ~」と声を掛けると「十分頑張ってるよ~」と返ってきたので、「頑張ってる!頑張ってる!」と言い合いながら杉峠到着。
「分岐を右に行くと雨乞山。こちらもイブネと同様に鈴鹿10座に選ばれていますよ。」
鈴鹿10座とは滋賀県東近江市が東近江から登ることのできる鈴鹿の山の中から選定した山で、それぞれ歴史があり地質や植生にも特徴があり近年人気が高まっています。
イブネの山頂は、以前は笹に覆われて訪れる人もほとんどいませんでしたが、笹が枯死して苔の広がる台地に。苔の絨毯の奥には御在所岳と鎌ヶ岳が見えています。
「遠かったけど、素晴らしい景色に癒されました。」「昨日の霊仙山も良かったし、今日のイブネも良かった。」「いい山だった、来て良かった。」そう言っていただけて私も本当にうれしかったです。
下りも渡渉を繰り返しヤマシャクヤクに癒され、無事下山となりました。
そして、今回このツアーを選んで参加いただいたお客様、みなさんと歩けてとっても楽しかったです!ありがとうございました。
【写真・文】朝妻照子